「3人展 – 澁谷忠臣、吉田潤、アデラ・リボウィッツ」 Photo Report&澁谷忠臣interview
07/07/2010 UPDATED
原宿のhpgrp GALLERY 東京にて、澁谷忠臣も参加する3人展が7月2日(金)にオープニングを迎えた。RED one PRESSは、オープニングレセプションに来場していた澁谷忠臣にその場でインタビューを試みた。

・今回の澁谷さんの作品にテーマがあれば聞かせて下さい。
今回作品を作る上で、“未来”や“近未来”というものがテーマの一つとしてあったんです。これは去年くらいから出していこうとしたテーマだったんですが、今年はさらにそのテーマを凝縮したかたちで制作しました。
・“近未来”がテーマということですが、骸骨という原始的なイメージを起こさせるようなモチーフ
も使われていますね。
あのドクロの作品は「SONO-SAKINO-MUKOU (その先の向こう)」というタイトルで…。それで、ドクロというのは“死”を意味している部分があるじゃないですか。でも“その先”にまた何かがある。ドクロの目の奥の方には光があるんですけど、死のように終わりに見えることの先に実は何かがあって、そしてまたその先で何かが生まれる。という意味があって描いたものです。だから原始的なイメージや“終わり”というイメージのようで、実は未来を見つめているという意味があります。
他にも例えば「MONKEY SEQUENCE」という作品には、物事の連続性や、繰り返しというテーマが込められています。物事は先には進んでいるけど、実はまた戻ってたり、でもそこからまた先の方を見て…、っていう“繰り返し”がテーマになっています。
世の中って僕はそういうものな気がするし、そういうものの中でより良くしていくのはどういうことなのか?これからの未来をつくっていくってことはどういうことなのか?ということを考えなくてはいけなくて。
例えば生き物や、生とか死とか、命とかの有機的なもの。そういうものとテクノロジーを感じるようなスタイルの融合の中で、これからの世の中はテクノロジーと自然というものが上手く共存しながら進んで行かなくてはいけないというメッセージがあったりします。
今回「KIBOU」という作品も出しているのですが、そういう“繰り返し”だったり、ネガティブなものの中でも希望を持つということを表現出来たら良いなって思ってます。

・澁谷さんが描く作品には動物のモチーフが多く使われていますね。
そうですね。単純に自分が動物好きだっていうのもあるんですが。
僕は動物が人間みたいに見えるんですよ。動物を見る人って、「この動物面白いな」っていうよりも、“人間っぽい仕種”だったり、“共感出来る部分”っていうのを探している気がして。それを動物園で象徴的に見せられて、そういうことを自分の絵に落とし込んだ時に、動物にはそれぞれ元々のイメージ(トラにはトラの持つイメージ)があると思うんですけど、それと自分のメッセージが繋がった時に、ポジティブで力強いイメージに繋がったりということがあって。
他にも例えばサルだったら“進化”がテーマだったりしているんですが、そこで僕はただ動物を描くというだけではなくて、その動物のイメージとか、動物の性質とかっていう部分を自分の表現したいテーマと組み合わせて作品を作ったりしているという感じです。

・澁谷さんの直線でモチーフを構成していくというスタイルはそもそもどんなところから始まった
のですか?
自分がデザインの勉強なんかをしていた時も、直線的なデザインがすごく好きだったんですよ。それで絵を描くようになって、自分独特のスタイルっていうものを追求していく中で、本当にパッとひらめいたものなんです。
建物を描いたり人を描いたり、あとはグラフィティからの影響というものもあると思うんですけど、自分の中で経験した色々なスタイルを一つにしちゃったらどんな感じなのかな?という考えが浮かんできて、その結果カクカクした線で描くというところに辿り着いたんです。
それは自分が直線というものに惹かれる部分があったからというのもあって。描いていくうちに、自分でも直線で描くことの意味や「どうして直線に惹かれるのか?」ということとかを考えたりしたんですが、直線っていうのはやっぱり人間的なものだと思ったんです。僕の中での定義としては、直線というのは「人間が創り出したライン」だとイメージしています。人工的なイメージというか。
でもそんな人工的なものの中にも人間味のあるものだったり暖かみがあったりすることが、自分の中ですごく意味があって気持ちが良いものなんです。“人間愛”とまで言うと言い過ぎかもしれないけれど、“人間らしさ”みたいなものがあると思っていて。
そういうところから直線での表現を追求してみようと思いました。

Solo Exhibition “Oshie” @hpgrp Gallery Tokyo (2009)
・前回のショーでメインで描かれていた抽象的なモチーフと、今回のような具象的なモチーフの間
にはどういった変化があったのでしょうか?
自分の表現するものをどういう形で作品にするのがベストかというのを考えていたんです。それで去年は自分の心の中にあるイメージを何かの形にするんじゃなくて、そのままバンとキャンバスに描き記したという感じですね。それが抽象的な絵になったということだったんですが、その抽象的なものが何なのか自分でもわからない部分はあったんです。でもその心の中にあったイメージというものを描き記すことに、“次に繋がるような何か”があるんじゃないかという感覚があったので、それを本当にそのまま描いたんです。
そのステップが実際にあったから今回のこういう絵を描くようになった感じがしています。
・そういう段階を踏んで今の絵を描くようになれたと。
そうですね。自分の性格はやっぱり段階を踏んでコツコツとやっていくタイプだと思うので、やっぱり前回のような段階があって、今回はこういう作品が描けたという感じです。作品が前回より具象的な感じになっていて、伝えたいことはよりはっきりさせることが出来たと思っています。
・では最後に、絵を描く上で愛って必要ですか?
え!?……それは絶対に必要です。

この3人展は8月1日まで開催中となっているので是非会場に足を運んでみて欲しい!
まずは会場で実際に作品を見てみる。アートの楽しみはそこから始まるかもしれない。
Interviewer:yuma okubo
click photo!
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3人展 – 澁谷忠臣、吉田潤、アデラ・リボウィッツ
作家:澁谷忠臣、吉田潤、アデラ・リボウィッツ
会場:hpgrp GALLERY 東京
渋谷区神宮前5-1-15 B1F
会期:2010年7月2日(金) - 8月1日(日) 終了
オープニングレセプション:2010年7月2日(金) 19:00~21:00
※ 展示、オープニング共に入場無料
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